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| 東洋医学における「陰陽五行」の理論に基づき、独自のエステティックを展開してきたスリムビューティハウス。まだ「東洋美容」の概念が一般化していなかった80年代からパイオニアとして業界の第一線を走り続け、現在では全国100以上の店舗を擁する同社では、人間がもともと持っている「健康的に美しくなろうとする力」を最大限に引き出すオリジナルな施術を開発してきました。日本のみならず世界の専門家からも注目を浴びているその実績と今後の展望について、西坂才子院長にお話を伺いました。 |
| ── スリムビューティハウスの特徴は何と言っても東洋医学を基本とした施術になりますが、そもそも東洋医学との出会いについてお聞かせいただけますか。 |
「私が大学の経済学部を卒業した当時は4年生卒の女性にはまだいい就職先がありませんでした。自立した女性を目指すなら、何か手に職をつけないと一生食べていくのが難しいだろうと考えたんですね。そこでいろいろ調べてみたところ、これから女性の仕事として脚光を浴びるだろうとされていたものが2つありました。1つはスタイリスト。そしてもう1つがエステティシャンです。
実はそのとき初めて『エステティシャン』というものがこの世にあることを知ったのです。女性が美しくなるためにさまざまなケアをしてあげる職業。これは女性に向く仕事じゃないかなと直感しました。ところがエステティシャンになるためにいったいどこに医ってどんな勉強をすればいいのかまったくわからない…。当時、日本にはまだ専門の学校はなく、エステティシャンと呼ばれる方に伺うと、皆さんアメリカやフランスの学校で学んでこられたという話でした。
でも、すでに大学を出た身でこの上留学というのは難しい状況でした。だったら何か身近でエステティックに近いものはないかしらと考えに考えた結果、行き着いたのが針灸マッサージだったのです。これなら身体のツボや経絡、それに筋肉や内臓についての勉強もできる。健康で美しくなれることに変わりはないと思ったんですね。そこで針灸の専門学校に入学し、修行を経て、25歳のとき『武蔵野針灸センター』を解説しました。
」 |
| ── そもそもは針灸治療からのスタートだったのですね。 |
「そうです。最初はエステという形式ではなく、肩こり、腰痛、ヒザの痛みといった治療を主に行っていました。ところがそのようなトラブルを抱えているお客様のほとんどが、太っていらっしゃることが原因で身体に負担をかけていらっしゃいました。そこで、耳ツボ治療などとも併せてダイエットの指導も行っていたのがスリムビューティハウスの前身です。
そのうちに「痩せる」という評判がどんどん高まりまして、お客様の数も増えてきたのですが、そのまま針灸治療院として拡大していくことは制度上難しかったのですね。そんな時、ハタと思い出したんですよ。『私がやりたかったのはエステティックじゃないか』って(笑)。そこで思い切って針灸治療院をエステティックに転換し、スリムビューティハウス1号店を開いたのが1983年のことです。
私が学んだ東洋医学というのは、血液の循環を良くすることによって内蔵の機能や自然治癒力を高め、免疫力を上げるということが基本ですから、それを軸にしてエステティックのさまざまなコースを開発してきました。もっともスリムビューティハウスの開業当時は、エステティックといえば海外の化粧品を使って外側から美しくというのが主流でした。身体の内側から健康的に美しくというコンセプト、しかも東洋医学をベースとしていらっしゃるところは、私が知る限り1つもなかったようですね」 |
| ── 中でも重要なのが「カッピング」による施術ですね。これは学会にも正式に発表されたものだとか? |
「これは針灸治療の一環として行っていた『真空浄血法』を応用したものです。針灸師として修行している時、この治療によって自律神経が安定したり、体調の悪い部分が改善されたりするのを実際に目の当たりにしてきましたから、ぜひこれをエステティックにも活用したいと考えたんですね。最初のうちは、体重を落としていく段階で起こる体調不良を防ぐことが目的でしたが、カッピングそのものが大きな痩身効果をもたらしてくれることも、経験的にはわかっていました。
しかし、いくら経験的にはわかっていても、きちんとしたデータとして残さなければ、いい加減なものとして受け取られかねない…そこで、これは1つ本格的に調べてみなければならないと思いまして、きちんとしたデータをとり始めました。
その成果が、1991年に肥満学会で発表した『痩身法の一助として用いられる吸引カップ法の体温上昇効果』です。21個の吸引カップを装着してカッピングを行った場合、身体全体の体温の上昇がみられ、血液の循環がよくなった脂肪燃焼効果、つまり痩身効果があるということが、医学的に証明できたんですね。
その後もさまざまな学会発表を行ってきました。やはりデータがなければ、お客様の信頼もいただけませんし、スタッフも安心して施術に取り組めませんでしょ。この業界は宣伝だけ派手に取り上げられる傾向がありますが、見た目の華やかさだけでなく、きちんとした結果も残しておきたいと思ったのです。
それも日本だけでなく海外の学会にも紹介したいという思いがずっとありまして、2002年に上海、2003年にロサンゼルスで、東洋美容が肥満や免疫機能に及ぼす影響について発表を行うことができました。
この発表は、主に東洋美容によってNK細胞が活性化することを立証したものでしたが、NK細胞(ナチュラルキラー細胞/注1)といえば現代の代替医療の分野でも注目されている話題ですよね。欧米式の施術には、人間を有機体としてとらえ、自然治癒力が賦活することによって、美容を損なう病気の治療や予防をするという思想が考慮されていません。そこで、健康者から未病人(注2)まで幅広く適用できる東洋美容を体系化し、身体的施術を中心とする一般美容との効果を比較検討したのです。ただし、私達が行っているのは医療ではなくエステティックですから、こうした学術データはあくまでも施術の信頼性を裏付けるものであり、宣伝材料に使うものではありません」 |
※注1:
NK細胞は免疫システムを司る細胞の一つ。抗腫瘍作用、抗ウイルス作用、抗アレルギー作用など、人体において生活防御機構の中心的役割を担っている。
※注2:
体の調子が悪いのに病院に行っても異常がない状態を中医学では「未病(みびょう)」と呼ぶ。 |
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